跡取りドクターの長い恋煩い
 「笑美里好きだ! あの夜の続き、いいか……?」

 笑美里の肩に手を置き、笑美里の目を覗き込む。
 やはり目はとろんとしているが、あの夜と同じ、笑美里の瞳には欲望の影が見えた。

 「うん……そーしくん好き。もっと……いっぱいキスして……」

 いくらでも!
 
 俺は笑美里をヤキボーに押し付けるように唇を奪った。笑美里がしかけてきたキスとは違い、深く深く口付ける。

 絡みつく舌、混ざり合う唾液がもっと深く繋がりたいと俺を酔わせる。

 「ん……」
 
 「……笑美里……ベッドに行こう?」

 「そーしくん……」

 息を乱しながら、笑美里がコクっと頷いた。

 「きゃっ……」

 気が急いていた俺は笑美里を抱き上げ、奥の部屋にあるベッドに運んだ。
 
 俺のベッドに笑美里がいる。その事実に武者震いが起きそうになる。
 落ち着け、俺!
 さっきよりも赤くなっている笑美里。
運んでいる間に酔いが回ったのだろうか?

 「え、笑美里?  大丈夫か……?」

 「も、もうっ……ナチュラルに抱き上げるんだもん。お姫様抱っこなんてびっくりしちゃって……宗司くん完璧過ぎ」

 「……」
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