跡取りドクターの長い恋煩い
「うん!  ありがとう〜。
 ところで飲み会ってなんのこと?」

「え?  病棟ナースから誘われなかったのか?」

「誘われた……ってなんで宗司くんが知ってるの?」

「い、いや……その……笑美里先生を誘うって話をナースステーションで耳にしたから」

「そっか。うん、そうなの。
森下さんが飲みに行こうって誘ってくれてね。
 あ、森下さんって、私より2つ上だったのよ。聞いてびっくり!  てっきり若く見えるから私より下だと思ってたのに〜」

「森下さんって、ポケットにドナルドダックが女装したペンを差してるナース?」

「そうそう。それデイジーダックって言うんだけどね」

 それに女装じゃないんだけど。
伝わりはするけど、ちゃんと名前で呼んであげてよー。

「顔もそっくりだよな」

「……可愛いわよね?」

「笑美里ほどではないけど」

「もうっ!  宗司くんって、うちのおじいちゃんみたい」

「はぁ⁉ なぜ祖父⁉ 」

「うちのおじいちゃん、いつも言うのよ。
『うちの笑美里は誰よりも可愛いなぁ。アイドルさんになれるぞ?』って」

「なるほど……じいさんと気が合いそうだな」

「かんべんしてー! それ単なるじじバカだから」

 たわいのない話をしながら、おろしハンバーグを美味しく平らげた。
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