無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない


 私はいつもの様にグレッグから指示を受け、笑顔でハワード夫人を待ち受ける。


「レイラ! お久しぶりね! 最近見なかったけど、どうしていたの?」
「……少し体調を崩しておりまして、ようやく元気を取り戻したところです」
「まあ! お若いのに」
「ええ、でも療養中も今話題の……乙女の誓いという本に慰められましたわ」
「まあ! あなたも読んでいるの? あれ、実は私の――」


 ふう、うまくいったわ。思い出せなくて少し妙な間があいたけど、これで大丈夫! あとはグレッグがうまくやってくれるから、隣で微笑んでいればいい。案の定グレッグは私から会話を引きつぎ、ハワード夫人と楽しそうに話し始めた。
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