無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない

07. 緊張の舞踏会


(連絡もしないくせに、舞踏会は一緒に行くつもりなの?)


 さすがに文句言ってやるわ! と思っていたが、迎えにきてくれたグレッグの顔を見たら何も言えなくなった。グレッグは私を見ても無表情で、こっちを見ようともしない。着飾った私を見ても、簡単に褒めるだけでそっけない。


(いつもなら大げさなくらいに、褒めてくれるのに……)


 つれない態度は城についてからも同じで、騎士団に呼ばれたグレッグはすぐに行ってしまう。1人ポツンと過ごしていると、遠目にカレン様とケイティ様が見えた。そういえば私、先日のお茶会のお礼状出してなかったわ! あわてて2人に挨拶しようと近づくも、彼女達は暗い顔で熱心に話しこんでいて、気軽に入れそうな雰囲気ではない。
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