無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない


「――とレイラが熱心に語ってくれました。ね、レイラ」
「ええ、そうね」


 2人揃ってにっこりとハワード夫人に向かって微笑むと、感激した夫人は「読書会を開くから、ぜひ来てほしい」と言って、上機嫌で去っていった。



「グレッグったら興奮しすぎよ。そんなにあの……乙女のなんたらが好きなの?」
「題名忘れるの早いぞ。あの本は最近の少女小説の中でも最高傑作に近い。俺は昨夜も2回読んでから寝た」
「まあ……早く寝ればよろしいのに」
「寝るのが好きな君からしたらそうだろうな。体調を崩していたのではなく、ただお茶会が面倒で寝てただけだと知ったら、みんな驚くだろう」
「寝ること以上に楽しいことはありません」



 私達が2人になるとすぐに顔を近づけ話すものだから、まわりからは「愛し合っているのね」「本当に素敵」という声が再び聞こえてきた。
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