スパダリ部長に愛されてます
頭の中で今後の古谷さん対策を練っていたところ、
営業部でもキレ者の近藤が、古谷さんを探しにやってきた。
「あれ?今日は古谷さん、お休み?」
今日は月曜日で、各部署、各チームの会議が多い。
別の会議室やフロア中央のテーブルで各自が集まっているので、今、部署にいるのは自分も含めて男性5人だけだった。

その中で一番の若手の橘が答える。
「今、課長とミーティング中です。もうすぐ戻ると思いますが、僕で良ければ代わりに聞きますよ。」
「いやいや、大丈夫。
癒されたかっただけだから。
橘にも癒されるが、古谷さんほどではないんだ。」近藤が軽い感じで答えると、
他の男たちが相槌を打つ。
「あー、わかる。
良いよな、古谷さん。」
「いつも落ち着いてるし、仕事は早いし確実だし、何よりあの控えめな笑顔!」
「俺、自販機の前で悩んでる古谷さん見ちゃってさぁ。
たったそれだけなのに、もう立ってるだけで、キレイでオーラがあったよ。」
「古谷さん、姿勢が良いよな、バレエとかしてたのかな。」
「絶対、お嬢だよな。」
俺と橘以外の面々が口々に洋子さんを褒めまくる。

「山下課長なんて、古谷さんとなら再婚したいって言ってたぜ。」
「まじか?」
「古谷さんファンクラブ会員数、また増えたなぁ。」

おいおいおいおい。
ファンクラブだって?
これは、急がなければ。
どうやって誘うか。

パソコン画面を見て、光速でタイピングしてプレゼン資料を作っているが、
頭の中は洋子さんの攻略法で頭がいっぱいだった。
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