成瀬課長はヒミツにしたい

~番外編~ 新しい予感 ※明彦が主役の物語です

~1~

「真理子、いるか?」

 ノック音と共に社長室の扉が開き、成瀬が顔を覗かせた。

「柊馬さん!」

 真理子は途端に笑顔になると、よいしょとソファから立ち上がる。

 成瀬はすぐ駆け寄ると、真理子に寄り添うよう、そっと腰に手を回した。


「あーあ。今日も優しい旦那様のお迎えですか。お熱いことで」

 小宮山が持っていたタブレットを肩に乗せると、明彦に目配せをしながら、わざとらしく大きなため息をついた。

「もう、小宮山さんったら。では社長、お先に失礼します」

 真理子は頬を膨らませながら、小さく頭を下げる。

「じゃあ、お先に」

 真理子から鞄を受け取った成瀬も、明彦と小宮山に軽く手を上げた。


「気をつけて……」

 パタンと扉が閉まるのを眺めながら、明彦は無意識に小さくため息をつく。

「社長。だんだん寂しくなってきてるんでしょ?」

 小宮山が冗談めかして顔を覗き込ませた。
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