間違ってる?間違ってない?
12.  どうしてこんな思いを

「たかだか誕生日如きで
騒いで悪かったわね。
誕生日を祝って欲しい人は、
私でなく元の奥さんなら
どうして、私に告白したの
どうして、私にはプロポーズしたの!!」

と、涙を流しながら
叫ぶ夏帆。

電話の向こうからは、
美穂が
「どうしたの?大和?」
と、訊ねている。

ハッとして
「後で、かけ直す。」
と、美穂に伝えて

夏帆を追いかけ
手首を掴むと
「触らないで!!」
と、振り払われ
立ち去る夏帆の後姿を
呆然として見つめていた。

俺·····は····いったい·····


夏帆は、実家に向かいながら

どうして?····
どうして?·······
こんな····思いを······

泣きながら戻ってきた娘に
驚きながら
夏帆の母、帆波は娘を抱きしめた。

少し落ち着いてから
夏帆の話しをきいて
もう、大和君をかばう事は
無理だと思った。

彼は、夏帆を大事にしてくれてないし
大切に思ってもいない。

ただ、挨拶に来た時に
きちんと聞くべきだったと
娘が不憫でたまらなかった。

夫の優が帰宅してから
今日の話しをした。

夏帆は、泣きつかれて
眠ってしまった。

父・優も母・帆波と同じ気持ちだった。

もっときちんと·····

いまさら·····だが·····

悔やまれた·····

優と帆波は、
夏帆は、まだ若い
早くやり直させたほうが良い
と、思っていた。
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