間違ってる?間違ってない?
7. 先輩

両親と優志と実家に戻り
私の手料理を食べながら

お父さんが心配して
飲め飲めとビールを次々に。

泣きながら寝たのか
目は腫れているし
冷やしながら
出勤の準備をする。

隠せるわけもなく
伊達メガネをかけて出勤すると
大船支店の窓口業務先輩の倉橋さん
から笑われてしまった。

その後に大和から外線で
電話があったが
倉橋さんが上手くかわしてくれた。

「帰りに訊く?」
と、倉橋さんに言って貰えて
「お願いできますか?」
と、言うと
「了解。」
と、返ってきて。

母には、帰りが遅くなる事を連絡した。

倉橋さんに一昨日の話しをすると
「人それぞれの考え方が
あると思うけど。
どこに行き、誰と祝うのか
簡単でも良いから
事前に伝えるのが本当だよね。
夏帆ちゃん、何もきいてないから
プレゼント買って
お料理作って 待っていたんでしょ?」
と、呆れ気味の倉橋さん。

「何が?どうなっているのか?
わからなくなりました。」
と、言う私に

「でも、来年も再来年もとなるよ。
だから、やはり、ここは
きちんと訊ねた方が良いよ。
それから、今後どうするか
決めたら?」
の言葉に

「付き合っている間
誕生日に会った記憶がないから
仕事だったかな?と。
プレゼントは、会った時に渡してような。
と、改めて考えたら。」
と、話すと
「そっか。
でも、付き合っている時からなら、
甲斐係長は、悪いとは思っていないんだ。
中々、難しいね。」
と、言われて

そうだよな、と考えてしまった。

倉橋さんと食べて飲んで
実家へと帰宅した。

母さんに倉橋さんに言われた事を
伝えると
「明日にでも大和君に来て貰って
話したら。
ここなら安心でしょ?」
と、言われて
「そうする。」
と、母に伝えて

携帯を開き
大和からの数々の着信やラインは
無視して
《明日、何時でも構いません。
    山城の方に来て下さい。》
と、送ると 直に既読が付き

《実家に帰っていたんだ。
実家なら言ってくれたらよかったのに
心配した。
明日の10時には行けるから。》
と、来た。

10時ね、と思い····

大和には、既読だけをつけて
返信はせずに
母には、その事を伝えた。
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