再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした
 一度、意識を失って目が覚めたら、待っていたかのように亮ちゃんがまた覆い被さってきた。
 さっきよりも深く、長く愛された。
 「あ、あ、そこダメ、触っちゃダメ、あん。」

 亮ちゃんは「雫、かわいい」と揺れながら触る。
 何度、入ってきたか分からない。外が明るくなってきた頃に、また眠りに就いた。

 目が覚めると、シャワーの音がした。
 時計を見ると、10時だった。
 亮ちゃんが入ってきて、私にキスを落とした。

 「雫。可愛い。やっと俺のものになったな。……シャワー浴びたらブランチにしよう。食事頼んでおくよ。」
 シャワーを浴びて身体を拭いていたら、亮ちゃんの声がする。
 「雫、まだ服着るなよ。食事してからにしろ。時間あるだろ。」
 嫌な予感がしたが、汚すとまずいのでローブを羽織って出る。

 クラブサンドとコーヒーとサラダ。オムレツにフルーツ。ジュースを飲んでから、黙々と食べているとまた笑われた。

 「雫。俺の前だと最初は緊張してたのに、すっかり昔に戻ったな。安心した。」
 「……フガフガ、美味しいよ。亮ちゃん。」
 「……ったく。小学生のときからそういう所は変わらないな、お前。夕べ、ベッドの中では女になってたのに。」

 やめてよー、どうしてそういうこと言うかな?
 ぷるぷるしていると、また、亮ちゃんが笑っている。

 「食べたら、もう一度女の人になってもらうからな。食べ過ぎんなよ。」
 「!」
 赤い顔で亮ちゃんを睨む。涼しい顔をしてコーヒーを飲む亮ちゃん。

 宣言通り、美容院に行く三時ギリギリまで、ベッドでまた愛された。
 腰が立たなくなるからやめてと言ったら、腰を撫でられる。
 もう、どうしてと言うと、キスで口をふさがれる。
 なんだかんだで籠絡された身体は言うことを聞かず、亮ちゃんのなすがまま。
 
 その日は初めて美容院で施術中に寝てしまい、担当の人に寝るなんて初めてだね、疲れてるんだねと笑われた。
 恥ずかしい。真っ赤になっていると、耳元で、後ろの首筋にキスマークがあるよ、と言われてしまった。
 おのれ、亮ちゃん。美容師が男か女か聞いてきた時に、男って言ったせい……。
 こんなの付けてきたのも初めてだね、なんて笑われて、良かったねと何故か言われる始末。
 もう、この美容院来られないじゃん。
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