お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

布団を上に上げて顔を隠そうとすると、ゆうくんは私の頭を優しく撫でた。


ドキッ


「俺も熱が出たとき怖い夢見てた。そしたら母親がこうやって撫でてくれて、それだけで安心した」


優しく微笑んで頭を撫でるゆうくんをジーッと見つめた。

さっきまで怖かったはずなのに不思議と安心してくる。


それが表情なのか、それともおばさんから受け継いだ魔法の手なのか……。



わかんないけど……きっと、ゆうくんそのものに安心しちゃうんだろうな。

声とか、話し方とか、雰囲気そのものが心地良くて。


……大好きだなぁ。

ゆうくんのこと。



そんなことを改めて実感していると、頭を撫でている手がおでこに移動した。

「熱、下がった?」


気付けば冷えピタはどこかに行ってしまっていた。

きっと寝てる間に取れてしまったんだ。


< 304 / 493 >

この作品をシェア

pagetop