お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

結局誘惑に負けてしまって、パクリと食べてしまった。


「っ!!おいひ〜」

「ぷ、あはは」


ゆうくんの笑い声に恥ずかしさを覚え、プイッと顔を背ける。


「ゆうくんが甘やかす……!」

「可愛くてつい」


うむむむ。

そんなこと言われると許しちゃいそうで。


「ゆうくんズルい」

「ハハッ、食べたら花火しようか」

「うんっ!」








  * * *


バルコニーに出ると、もう真っ暗で星が輝いていた。


線香花火に火を付けるとパチパチと小さな光を放つ。


「綺麗だね」

「そうだね」


ただそれだけの会話なのに線香花火の光が温かいからか幸せを感じて、ずっとこのまま夏が終わらなければいいのにって思ってしまう。



だけど、現実はそううまくいかなくて。



「あ……」

パチパチと光を放つ線香花火はポトリと落ちてしまった。


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