愛の治療、致します
ある日、蕾は、家出をした。もちろん、原因は父親。将来のことなどで、夢を貶され、辛く思い、家を出たのだ。幼少期の頃と比べたら、少し、落ち着いてきた方らしいが、それでも暴言だけは吐き続けた。河原の方へ逃げた。橋の下で考え事をしていた。このまま橋から落ちちゃえば、こんな苦しみからは逃れられる、そう思ったのだ。橋の上に立ってみた…とても高い、そして怖い。ほんとに楽になるのか、疑問でしかなかった。怖い、死にたいけど死ねない…その時だった。
誰かに思いっきり、後ろに手を引かれ、バランスを崩し、道路の方に転がり落ちた。知らない人が苦手な蕾にとっては、もうどうすればいいか、パニック状態だった。蕾は怖さで、起き上がれなかった。
「おい、大丈夫か?」
声的に、男の人。優しい声だが、異性は少し苦手。
「しっかりしろ!何してんだよ、お前は」
上半身を抱き寄せられた。正直キュンとしたとかの感情は無い。その場から逃げようとした。
「待てよ、家まで送るよ。お前絶対死ぬ気だろ。」
「夜中に何してんの?あんたも帰んないとだよ。」
「夜中に何してんのは、お前もだろ。俺はただの川遊びしてただけ。」
「真夜中に?」
「お前こそ、真夜中に何死のうとしてんだよ。」
「あんたには、、、関係ないでしょ!!!!!」
そう言って蕾は逃げていった。
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