お兄ちゃんなんて呼びたくない
その言葉が嬉しくて、背中に回した腕の力が強くなる。

それにつられたのか、航くんも私のことを強く抱きしめた。

私の背中に回る手には、初めて夕方に渡した今年のバレンタインの紙袋がしっかりと握られていた。
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