素直になれない私たち

校舎にはまだ残っている生徒もいて、私と翔平が手を繋いで廊下を
歩いているのを見てあからさまな反応をされたりもしたけど、もう
そんなことを気にする必要もなく、私たちは堂々と並んで歩いた。

生徒玄関を出たところで晴夏と南が待っていた。
ニヤニヤしている晴夏と、『待ちくたびれた』と文句をいおうとして
いたであろう南の視線が私たちの腰の少し下くらいの位置で止まる。
しっかりと繋いだ手を見ていることは明らかだ。
これはもう、いうしかないでしょ。


「彼氏ができました(照)」


私はそういって、繋いだ手を少しだけ上げてみせた。その様子を見た
晴夏のはしゃぎっぷりが意外で、でもそんなふうに南と一緒に喜んで
くれるのが本当に嬉しかった。


「俺のほうがお前より彼女いる歴長いし、まあ何でも聞いてよ」


得意気に話しかける南を、翔平は苦虫をかみつぶしたような表情で
見る。そんなやり取りがあっても手を離さない私たちを見て、晴夏が
嬉しそうに私に抱きついてきた。



「海、いつ行く?」


「まず水着買いに行かなきゃだから、8月に入ってからかなー」


「その買い物、俺らも付き合う!」


「えっ翔平も?」


「……」


「えー翔平の顔に行きたいって書いてあるんだけど」


ウケる、そういって晴夏に背中を思いっきり叩かれてバランスを
崩しても翔平は私の手を離さない。もちろん、私も翔平の手を
しっかりと握ってる。みんなで笑い合って楽しく、時には悩み
ながら、私たちはこれからも一緒に歩いていく。




今日からは、ずっと2人で。


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