素直になれない私たち
ガールズトーク

晴夏のストーカー騒動も落ち着き、日常が戻ってきた6月最初の金曜日、
私は晴夏の家にお泊りにやってきた。今回の話はもちろんのこと、まだ
お互いに話していないことを盛大に語りつくそう、というテーマのもと
オール覚悟で挑む所存だ。入浴も終え、髪も乾かして、テーブルには
お菓子と飲み物を並べて女子会はスタートした。


「今回は南の株が上がったね。カッコよかった」


「うん。ちょっと見直した」


ちょっとかい、と私がツッコむと晴夏ははにかむように笑った。
これでもちゃんと感謝してるよ、と晴夏はいった。確かにここ数日、
晴夏の南への態度がいつもよりほんの少しだけど雑じゃなくなっている、
そんな気がする。いや、本当にほんの少しだけど。

そして女子会開始早々、晴夏から爆弾が投下された。


「今回みたいなの、初めてじゃないんだよね」


「え、今回みたいなのって、変な人に付きまとわれるってこと?」


お母さんからの差し入れのプリンを食べながら、晴夏が頷く。
可愛いって、いいことばかりじゃないんだ...。心の中で呟いたつもりが
言葉になって出ていたようで、晴夏がそれを聞いて何それ、とまた笑う。


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