私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
俺のこと、どのくらい好き?
草壁財閥の御曹司・蒼志と久瀬川財閥の令嬢・星那は幼馴染みで恋人同士だ。

大学三年の二人。
実家暮らしの星那と、久瀬川邸の徒歩圏内にあるマンションで一人暮らしをしている蒼志。


とにかく星那を愛してやまない蒼志。
ほぼ毎日、星那に会うため久瀬川邸に通っている。

そして今日も、大学に行くため星那を迎えに向かった。
「━━━━━おはよ!星那!」


「おはよう!あーくん!」
パタパタと駆けてきて、蒼志に抱きつく。

「フフ…可愛い!俺の星那!」
星那を抱き留めた蒼志は、星那の頬にキスをする。

「ひゃぁ!!?こんなとこで、キスしないで!/////」
目を見開いて、蒼志を見上げる。

「ほんと可愛い~顔、赤くして!」
嬉しそうに星那に頬を擦り寄せた。


するとスッ…と星那が離れて、河冨に引き寄せられていた。
「━━━━━━お嬢様、大丈夫ですか?」
河冨は、星那の頬をさりげなくハンカチで拭く。

「おい!河冨!何してんの?」

「は?
見ての通り、お嬢様の頬をお拭きしてるだけです。
穢らわしい!」

「は?
お前さぁ、誰に向かってそんなこと言ってんの?」

「蒼志様にですが、何か?」

「俺は!星那のか、れ、し!
わかる?
キスしても、穢らわしくねぇの!!」

「フッ…
“たかが”恋人の分際で何を威張って……(笑)」

「はぁ!!?
おま━━━━━━━」

「ちょっ…二人とも、やめて!
あーくん、大学遅れちゃうよ?
河冨も!車、回して?」
二人の間に立ち、止めようとする。

「はっ…お嬢様、申し訳ありません!
すぐに、お車を回してきます!」
慌てたように頭を下げた河冨。
駐車場へ急ぎ向かった。

「……ったく…河冨ったら…(笑)」

「星那」
河冨を見送っていると、蒼志に呼ばれた。
「ん?」と振り返ると、頬を包み込まれた。

「星那は、俺のこと好き?」
「え?うん、もちろん!」

「ちゃんと言って?」
「あーくんのこと、大好き!」

「どのくらい?」
「どの?
………うーんと…このくらい!」

星那は、蒼志から離れて両腕を横に目一杯広げた。

小柄な星那。
目一杯広げても、蒼志からすればとても小さく見える。

「少ない」
「え?で、でも……これでも、精一杯だよ?」

「だったら、わかりやすいもんに例えればいいだろ?」
「あーくんは?」
「ん?」
「じゃあ、あーくんはどのくらい好きなの?」

「そんなの━━━━━━」
そこに、車がゆっくり二人の前に止まった。
< 1 / 81 >

この作品をシェア

pagetop