不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。
「――伊都ちゃんイジメないでくれない?……瑠衣」
「……よう、律。相変わらずカッコいいお出ましだな」
そこに律くんが現れたから、大きく振り返った彼の影に隠れて私は下を向いた。
「俺の大事なマネージャーに何かしたら許さないからね。もうキミ即退場だから、退場」
「相変わらず滑稽だな、お前は。女1人を追いかけるために全部の推薦蹴りやがって」
「その話、今は関係ないでしょ」
「アンタも大変だなあ、南野サン?こんな面倒な男にさぁ?」
「え?」
「――瑠衣」
「あ?」
「やめろって、言ってんの」