不器用なあの子は、今日も一宮くんに溺愛されている。







悠太くんはいつも、私の布団の横に置いてある青色の座椅子に座る。



それはもう子供のころから変わらなくて、悠太くんがゲームをしにくるときやお店の手伝いの合間に私の部屋に来るときはいつもそれを用意した。



悠太くんだけの、専用の座椅子だ。


うんと古いモノだから、青色も色褪せていて毛玉もポチポチと付着している。



お年玉で新しいのを買うよ?と言っても、お気に入りだから要らないと言って今に至るのだけれど、今一度見てみると本当に、年季が入っている。





「でも、あのバスケくん……一宮は違うよ。アイツは多分、天才ってヤツなんだろうな。全国優勝するくらいのあの実力の全部が、伊都のためっていうか。もうお前自身が原動力になっているみたいだった」


「……悠太くん、律くんのこと知ってるの?」


「あぁ、今年のナントカカップ?の試合を観た」




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