気づけば、吸血王子の腕の中【上】
いくらか目がなれたナターリアは、首を動かして周りを見回そうとした。

しかし体が思うように動かない。

仕方なく目で様子を伺う。


豪華な装飾。
天蓋付きのベッド。
織りの細かい絨毯の床。
暖かな暖炉。
細かい装飾が施された家具。


ここは...どこかのお城......?

...でも、どうしてここに?

ナターリアはぼーっとする頭で一生懸命考えを巡らせる。


そして結論づけた。





ああ、私はまた “お引っ越し” をしたのだ、と。


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