❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
第八章 記憶が消えた雅也
葉月は冨樫のマンションに戻り、一人寂しく夜を過ごしていた。

その時、ドアがガチャっと開く音がした。

えっ、誰だろう、ヤスシさん?

リビングのドアを開けて入ってきたのは冨樫だった。

「冨樫さん、どうなさったんですか」

「トイレ行ったっきり戻って来ねえから、ヤスシに聞いたら俺のマンションに寝泊まりしてるって聞いて、なんだ、その、ちょっと様子見にきた」

「病院抜け出してきたんですか」

「抜け出したなんて、人聞の悪いこと言うな、ちょっと出てくるって、
看護師に聞こえねように言ったよ」

「聞こえないようじゃ、意味ないですよ」

葉月はクスッと笑った。

「やっと、笑ったな、お前は笑顔が似合うよ」

「冨樫さん」

冨樫は脇腹を押さえて、ふらついた。

「冨樫さん、大丈夫ですか」

葉月は咄嗟に支えた。

「大丈夫だ」

唇が急接近して、じっと見つめあった。

冨樫は葉月の頬を両手で挟み、葉月の唇に触れた。


キスをされて葉月は何も考えられずに、受け止めた。

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