月下の逢瀬
『ああやだ。泣きたいのは私……あら? あなたは何かしら』
部屋の隅にいた俺に気付いて、小さく首を傾げた。
その顔は玲奈に似ていて、この女が実の母親なのだと分かる。
『……俺、宮本と言います。
玲奈さんと、……付き合っています』
血の繋がった娘に、何だこの女。
沸々とした怒りが、口を勝手に動かしていた。
『理玖く……!?』
驚いたようにこちらを見た玲奈の顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。
それを視界の隅で見た。
『あんた、母親なんだろ? 怪我したくらいで、価値が下がるわけない。そんな切り捨てる言い方すんなっ』
あんたが泣かせてどうすんだよ。
そう言って、睨みつけた。
『……玲奈、どういうこと?』
俺を無視して、玲奈に視線を戻す。
玲奈が、うろたえたように俺の方を見た。
その戸惑った瞳に、返事の代わりに頷くと、きっ、と母親を見上げた。
『あたし、理玖と付き合ってるの!
ずっと一緒にいるって約束してる。理玖はあたしの体のことなんか、気にしてないんだからっ。
久世なんかもうどうでもいい!』
まくし立てるように言って、母親はそれに気圧されたように口を閉じた。
部屋の隅にいた俺に気付いて、小さく首を傾げた。
その顔は玲奈に似ていて、この女が実の母親なのだと分かる。
『……俺、宮本と言います。
玲奈さんと、……付き合っています』
血の繋がった娘に、何だこの女。
沸々とした怒りが、口を勝手に動かしていた。
『理玖く……!?』
驚いたようにこちらを見た玲奈の顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。
それを視界の隅で見た。
『あんた、母親なんだろ? 怪我したくらいで、価値が下がるわけない。そんな切り捨てる言い方すんなっ』
あんたが泣かせてどうすんだよ。
そう言って、睨みつけた。
『……玲奈、どういうこと?』
俺を無視して、玲奈に視線を戻す。
玲奈が、うろたえたように俺の方を見た。
その戸惑った瞳に、返事の代わりに頷くと、きっ、と母親を見上げた。
『あたし、理玖と付き合ってるの!
ずっと一緒にいるって約束してる。理玖はあたしの体のことなんか、気にしてないんだからっ。
久世なんかもうどうでもいい!』
まくし立てるように言って、母親はそれに気圧されたように口を閉じた。