また、記憶の中で。
第1章
篠原優千音、十八歳。大学一年生。
一九八一年(昭和五十六年)六月二十七日~二十八日
強姦・殺人事件で殺害され死亡___
「っと、今日もまた物騒な事件ですねぇ。」
資料を読み上げた後に少し嬉しそうに話すこの人は、俺の上司の上野だ。
「この事件を解決すれば高く評価されるぞ!俺と櫻木が担当だからなぁ、櫻木、足を引っ張るんじゃないぞ?」
いつもこんな感じで俺を邪魔者扱いしてくる最低上司だ。
「わかってますよ先輩。」
俺はため息混じりにそう答えた。
上野は人の命をなんだと思っているのだろうか、きっと自分の評価をあげるための材料とでも思っているのだろう。
そんなことを考えていると俺に声がかかる、
「櫻木先輩!」
「ん?」
声の正体は波多野だった。
波多野は少しメイクが濃くてイマドキっぽい
年齢は俺とそう変わらないのに若々しいなぁ
なんて呑気に考えていると
「櫻木先輩!聞いてますか?」
「あぁごめんごめん」
思い出したかのように波多野の話に戻る
「あぁその資料は俺が預かるよ」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
波多野がニカッと白い歯を見せた
まだ幼さが残っていて可愛く感じられる
「おい、櫻木ィ!いくぞ!」
そんな可愛さに浸っていると可愛さの欠けらも無いおじさんの声が響いた。
「はい。」
随分と張り切った様子の上野を突き落とすかのように返事をし、車に乗った
車内は驚く程に暑かった。最近温かさを取り戻しつつある気候が十分にうざっだるい。
間もなく到着した。
「あっちィィさっさと終わらせような!櫻木!」
現場に着いた時の第一声がそれでいいのだろうか、今から殺人現場を見に行く人とは思えない態度だった。
「はい。」
俺は<はい>と頷くことしか出来なかった。
一九八一年(昭和五十六年)六月二十七日~二十八日
強姦・殺人事件で殺害され死亡___
「っと、今日もまた物騒な事件ですねぇ。」
資料を読み上げた後に少し嬉しそうに話すこの人は、俺の上司の上野だ。
「この事件を解決すれば高く評価されるぞ!俺と櫻木が担当だからなぁ、櫻木、足を引っ張るんじゃないぞ?」
いつもこんな感じで俺を邪魔者扱いしてくる最低上司だ。
「わかってますよ先輩。」
俺はため息混じりにそう答えた。
上野は人の命をなんだと思っているのだろうか、きっと自分の評価をあげるための材料とでも思っているのだろう。
そんなことを考えていると俺に声がかかる、
「櫻木先輩!」
「ん?」
声の正体は波多野だった。
波多野は少しメイクが濃くてイマドキっぽい
年齢は俺とそう変わらないのに若々しいなぁ
なんて呑気に考えていると
「櫻木先輩!聞いてますか?」
「あぁごめんごめん」
思い出したかのように波多野の話に戻る
「あぁその資料は俺が預かるよ」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
波多野がニカッと白い歯を見せた
まだ幼さが残っていて可愛く感じられる
「おい、櫻木ィ!いくぞ!」
そんな可愛さに浸っていると可愛さの欠けらも無いおじさんの声が響いた。
「はい。」
随分と張り切った様子の上野を突き落とすかのように返事をし、車に乗った
車内は驚く程に暑かった。最近温かさを取り戻しつつある気候が十分にうざっだるい。
間もなく到着した。
「あっちィィさっさと終わらせような!櫻木!」
現場に着いた時の第一声がそれでいいのだろうか、今から殺人現場を見に行く人とは思えない態度だった。
「はい。」
俺は<はい>と頷くことしか出来なかった。