愛よりもお金が大事。
冬野と私は、無事に入籍をした。
それは、私の28歳の誕生日の日に。
そして、冬野は一人暮らししていたマンションの部屋を引き払い、私の家で同居を始めた。
あの後、母親の再婚予定の宮川さんに私も会い。
本当に良い人みたいなので、とりあえず母親と宮川さんの交際は賛成した。
再婚については、蓮と蘭がちゃんと独り立ちしてから、という事になった。
冬野との、初夜。
それは、冬野が私の家に住み始めた日の夜。
「夏村とこうやって、一緒に眠れる日が来るなんて。
俺、嬉しすぎて眠れない」
私の隣で、冬野は感慨深く言葉にする。
「冬野、なんか大袈裟…。それに、もう夏村じゃないし」
私は寝返りをうち、隣の冬野の方に顔を向けた。
「…花梨、お母さん、夜は一人で寝たいかな」
私の背後から、そう母親の声が聞こえる。
今まで、私は毎晩母親と一緒に一階の和室で眠っていたので。
その延長で、母親の布団の隣に変わらず私の布団を敷き、その横に冬野の布団を敷いて眠る事になったのだけど…。
「お母さん、一人で寝かせるのは心配だから」
「そうですよ、お義母さん」
そう言う私と冬野に、
「花梨、お願いだから、一人で寝かせて」
と、母親に懇願され。
翌日からは、私と冬野は二階の私の部屋を寝室にし眠る事に。
その代わり、母親には異変を感じたら直ぐに私か誰かを呼べるように、大人用の防犯ブザーを枕元に置いて貰う事となった。