あくまくんが愛してやまない。
頭の中が真っ白で、それでいて顔は熱くなっていく。
ずっと近くで話したくて仕方がなかった人なのに。
こんなことになるなんて……、だれが予想したんだろう。
「ねえ、みゆうちゃん、だっけ」
「は、はひっ……」
耳元で名前を囁かれ、クラクラする。
甘い匂いが立ち込めて、酔いが回りそうだ。
泣きそうなくらいかっこいい顔を見れないでいると、彼はわたしのあごを掴んで言うのだった。
不敵な笑みとともに。
「これ、どういうこと?」
────そして冒頭に、至る。