あくまくんが愛してやまない。




「エミ、図書委員の仕事は終わったの?」



たしか、今日の放課後はエミの委員会の当番だったはずだ。

昼休みと放課後、交互に分担されているらしいから、おそらく合っていると思う。



まだ脳が眠っている中、そう問いかけるわたしにエミはゆっくりとうなずいた。



「うん、終わってる。それで教室戻ってきたら、みゆうがまだ寝ているんだもん」


「ううっ……、本当に熟睡してました」



「まあ、そもそも沢内にみゆうを起こすよう頼まれてたからね」




……沢っち、あなたは神様か。

そう言いたくなるけれど、本人はあいにくここにいない。



下手したらこのまま、最終下校時間まで眠っていた可能性が高かった。

それを委員の仕事で学校に残っていたエミに、起こすことを頼んでくれた沢っちは、本当にできた男だ。




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