あくまくんが愛してやまない。



加世にそう言われ、やっぱりそう見えるのかと他人事のように考える。


呆れたように俺の未開封のいちごみるくを飲み始めた加世は、もしかしたら心配してくれていたりするのかもしれない。


そうでなくても、昼休みを加世と過ごしている時点で、みゆうちゃん関係でなにかあったと悟られているのは確かだ。


……どうせ気づかれているのなら、ちょっとくらい相談するか。



さきほどの加世よりも大きなため息をつき、空を見上げるように天を仰いだ。




「なあ、加世」


「どーしたの」


「好きじゃない女の子にキスしちゃうことある?」


「いや、ないでしょ普通」



加世は俺の質問に軽く引いているようで、疑わしげな視線を送ってくる。

だけど俺はそれどころではないため、悶々と頭を悩ませる。



……ないよなあ、普通。




屋上の地面に寝転がり、青い空をじっと見つめる。





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