ずっと、君だけを好きだった。

「りっくんには隠しても意味ないか。……うん、緊張してやばくて、昨日あんま寝れてない」


「今年も無駄かもしれないのにね」と、続けて困ったように笑う君。


緊張の理由。それは今日が……14日だから。


「学校で渡す予定?」

「うーん、どうかな……タイミングがあったらと思って持ってきてはいるんだけど、学校じゃ難しいかな……」

「そっか」

「あっ、りっくんには学校終わってから渡しに行くね!」

「ありがと」


思い出したみたいに俺に向かって笑いかける君に、微笑み返す。



2月14日、バレンタインデー。

一年の中で、この日が一番嫌いかもしれない。


……だって君の本命は、俺じゃない。
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