チョコより甘い、ファーストキスを。


「いや、それはだめ。俺の責任だし、最後まで一緒にやるよ。てか・・・、一緒にやりたい」


そう言って聞かず。結局、相葉くんが授業を振り返りながら、それを私が書くことになった。


「・・・笹本の字って綺麗だよな。俺、笹本の字、好き」


っ!

ドキッと心臓が跳ねる。


い今のは、今のは・・・

字が褒められただけだから。私じゃない。


「あ、ありがとう・・・」

急にそんなことを言われたもんだから、動揺を隠せなかった。



その日から相葉くんは、たまに話しかけたりしてくれて、もしかしたら・・・って期待して。


でも、みんなに平等な相葉くんだもんね。


特別な意味はないことは、どこかでわかっていた。

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