【完】シンアイ

こんなに夜遅い時間なのに、出てきてくれるとは思わなかった

「どうぞ」

「あり・・・、がと」

中に入るように促されて、客室内に足を踏み入れる
特にモノも置いてなくて、広めの部屋で窮屈さは感じない

一人用ソファーの上に座ると、結衣ちゃんは冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出して渡してくれて、俺の反対側に座る

「お酒飲めたんですね、飲めないと思ってました」

「飲めるよ、けど酔えないだけで・・・

だから、普段は飲まないかな」

渡されたペットボトルの封を開けて、少しだけ水を飲む

右手に握っていた指輪と一緒にオーナーから貰った明細を机の上に置いて、結衣ちゃんの方に寄せる

結衣ちゃんと目を合わせたくなくて、下を向いてしまう

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