大人気アイドルとの恋は刺激強め
「やってみたらいいじゃん」





このオファーのことをちゃんと
誰かに相談したくて
幼なじみの桐生(きりゅう)悠馬(ゆうま)鈴川(すずかわ)杏里(あんり)を招集。

杏里は、私と同じで顔を隠して
ダンスの動画をアップしてるから、
結構私の気持ちを理解してくれると思った。

悠馬は、モデル中心だけど俳優もやってて、
業界の厳しさとか誰よりもわかってると思って
仕事の合間を縫って時間を作ってもらった。






で、まさかの2人とも一致でこの意見。




「え、もうちょっと引き止めるとかしないの?」




「だって、わざわざ相談するなんて、後押ししてほしいんじゃないの?怖いけど、やりたい気持ち強いんでしょ?」




「李純の歌はそれくらいすごいと素直に思えるから、俺としては賛成。怖いかもしれないけど、十分やれるだけの力が李純にはあると思うよ」





後押し、してほしかったのかな。





やりたい気持ちと怖い気持ちのせめぎあい。





趣味程度にしかやってない私が
映画の主題歌なんて、荷が重いし、
責任負えないって思ってた。





「俺は、監督が李純で行きたいって思ったんなら、李純がやるべきだと思う。作品の世界観を作るのは監督だから。だからこそ李純は監督がどんな世界を作りたいのかを知って、それに合う曲を作る必要があると思う。でも、李純は李純のもつ感性で作っていいんだよ。今回作詞作曲も任されたってことは、監督も李純の作る曲の世界観を見たいと思ってるってことだと思うから」





悠馬の言葉は、昔から妙な説得力があって、
スっと心に入ってくる。







「……私に、務まると思う、?」





「大丈夫。私、李純の曲で踊ったやつほんとに自分で気に入ってるの。気持ちが曲に乗せられるから。映画も一緒だと思うな。その映画に、気持ちが乗せられるように、主題歌が後押しするの。李純ならできるって!幼なじみの私たちが保証してあげる」





幼なじみってこういう時強い。




昔から私の事を知って理解してくれてるから
2人からの「大丈夫」はすごい心に響く。






「前向きに、考えてみる!」





「そーしな」





「いやーついに李純の歌が日本中に知れ渡るかー」





「気が早えーよ」










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