優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9

キアラのお見舞いに行く


卒業式は花で飾られて、
大勢の保護者が列席する、大広間で行われた。

「首席、カシアス14世、メダルを授与します」

カシアスは頭を軽く下げて、
校長先生から最優秀のメダルを受け取った。
カシアス13世が、自慢げに息子を見て、ハンカチで目をぬぐっている。

ここにはキアラ・アラゴンの姿はない。
あれから、誰も彼女のことを話題にはしなかった。

式が終わり、
カシアスは教室に戻って、
窓辺で一人、この学校と別れる余韻に浸っていた。

窓からは見慣れた青い芝生が、見渡せる。

キアラ・アラゴンとは、もう二度と会えないのだろうか。
あの時、キスをしたのに・・・
いや、ほとんど未遂だったが・・

カシアスは、人差し指を唇にあてた。
すべては、密やかな過去の想い出になってしまうのか?
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