2ねんせいの夏。
『じゃあ、そうさせてもらいます。』

ということで、なつ希さんは明日から夏休み。

『それにしても、貴君はどこに行ってたのかなぁ。』

奈々が言う。

『どこ行ってたんだろ?』

慎も言う。

『貴はさ、家出した時もそうだったけど、遠くには行かないんだよ。』

貴の習性を語る宏博士。

『自分に、そして家族に何かあってもすぐにかけつけられる距離にしか隠れないんですねぇ。』

『ただの寂しがりやかよ。』

慎が言う。

『はい!博士、貴君はどこにいたと考えますか!』

奈々が聞く。

『うん。学校か…図書館辺り?』

宏が推測する。

『にしても、皆焼けたわね』

話を急に変える貴達の母。

『ほんと!』

奈々達の母も加わる。

『そうかなぁ?』

奈々が言う。

『宏と亜子は変わんないわね。』

宏達の母が言う。

『焼けてない二人が一番苦労してんだよ。』

慎が言う。

『正解!』

宏と亜子が声をそろえて慎を見る。

海での保護者、真柴兄妹は、何かと大変だったようだ。
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