2ねんせいの夏。

探し物4

『道に嫌われたって何??』

そう聞かれて恥ずかしそうにする貴。

『お前らの話聞いてたら、自分の悩みが小さすぎて話したくなくなる。
自分が小さくて恥ずかしくなる。』

『悩みに大きいも小さいもないから。』

『あるだろっ。それを言うなら犯罪に大きいも小さいもない、じゃねぇ?』

『いいんだよ、いちいちつっこむなよ!』

話の軌道がそれる中、宏が言う。

『家出するなら僕を置いてくなよ。いつでも一緒だろ?』

『家出したのかよ。どうした?』

『父さんが…』

『父さんが?』

『僕には会社を継いでもらおうとは思ってないって…』

黙り込む四人に、

『ほらぁ、つまらないって思っただろ!』

話した事に後悔する貴に、

『そうじゃないけど、親父さんの後継ぎたかったわけ?』

『継ぎたいとかじゃなくて、継ぐもんだとばっかり思ってたから…』

『うーん、そうだなぁ、
それは貴のやりたい事?』

『だから、やりたいとかじゃなくて、やるもんだとばっかり思ってたから。』

『頼まれてもないのに?』

『だからそれを言うなよ!』


『それってさぁ…』
< 26 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop