Contact〜再会した初恋の君に〜

彼女の『もしもし』という声の後ろに男の声が聞こえて、居ても立ってもいられず外来診療の内科診察室で俺がよく入る場所に来てほしいと伝えた。

「あんなヤツ振り切って。早く俺のところに来てくれ」そう願い彼女を待った。

コンコン、と扉をノックする音が聞こえ扉を開くと、そこに少し息を切らしている紗希が立っていた。

急いで部屋の中に彼女を入れると、俺はすぐに彼女を抱きしめた。

「きゃ……」

まだ彼女から告白の返事をもらっていないのに嫉妬して、呼びつけて、いきなり抱きしめるとか、彼女にしてみたら迷惑かもしれないが抑えはきかなかった。

「紗希…」

彼女の頭に唇を近づけて名前を呼ぶと、ビクッと身体が硬くなったのでさらに強く抱きしめる。

「ど、どうしたの? そういえば忘れ物って何?」

急に抱きしめられて動揺しながら慌てて訊いてくる紗希が可愛い。しかも、本当に忘れ物があると信じているなんて、なんでも信じてしまう彼女が心配になる。
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