Contact〜再会した初恋の君に〜

「そうよ。彼、かなり本気ね。だから周りに自ら吹聴して他の男を寄せつけないように牽制してるのよ」

「牽制って…。そんなことをする必要なんてないのに」

「あら、嫌だ。紗希ちゃん最近他の科に顔を出すようになって、いろんな人から狙われてるのよ」

「…はいい??!」と変な声を出してしまった。

「もうやだ。気がついてないなんてないでしょ。最近、いろいろ声かけられてるじゃない」

「で、でも、あれって仕事のことで…。ですよね?」

「えっ? 本当に自覚がなかったの…。ヒロ先生の言っていた通りね」

「た、瀧本くんが何か言っていたんですか?」

「そうか…。男性をあえて避けてるところがあるもんね。でも、ヒロ先生からは告白されたんだし、もう避けようがないでしょ」

「あ…あの…なんというか…。瀧本くんからそんなようなことを言われましたが…。まだ自分の気持ちがよくわからなくて」

「紗希ちゃんはヒロ先生のこと、好きじゃないの?」

とっさのことに思考回路が停止してしまい、顔を真っ赤にして俯く。なんとか答えようと口を開くが、はっきりとした答えはまだない。
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