公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 それでもちゃんと完食した。われながらどんなときでも食欲だけは衰えない。これも貧乏のなせる業なのかもしれない。「食べ物はあるときに食べ尽くす」という習慣が、幼い頃から身に沁みついてしまっている。

 そんなわたしのサバイバル的人生観はともかく、食後に食器を片付けてから就寝した。しかし、布団に入ってからでもドキドキとバクバクが止まらなかった。

 これが小説などでいう胸の高鳴り、というのかしら? 

 とはいえ、ドキドキとバクバクが止まらない中、いつの間にか眠りに落ちていた。

< 104 / 356 >

この作品をシェア

pagetop