公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「何でも屋」のある西街区からウインズレット公爵家のある南街区へ向かいながら、ふと王立公園に戻った方がいいような気がした。というよりかは、公園内にある王立図書館に戻った方がよさそうな気がした。
 
 結局、第六感的な感覚に流されて図書館のある北街区へと足を向けた。

 そうよね。ボスとエドモンド兄弟のお蔭で、調査に駆けずり回らずにすんだ。今日も一日、姉と関係があったであろうジェロームを捜すことになると思っていた。それこそ、朝から晩まで。だけど、ジェロームの居場所はわかっている。三人の調査の結果だし、先程の様子では三人はほぼ断定している。

 ボスもエドモンド兄弟もプロ中のプロ。わたしが現役時代、三人がほんのささいなミスをしたのを見たことがなかった。もちろん、大きなミスもなかった。その三人が一人に絞っている。その上で、ウインズレット公爵家で待機していろと言うのだから、わたしはもう何もする必要はないということ。
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