公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「あの、公爵閣下。朝食会は?」
「朝食会? ああ、あのくだらぬ会のことだな。一心不乱に食い、さっさと退席した。いまごろは同席していた文官や貴族たちは、おれの悪口でおおいに盛り上がっているだろう」

 彼は、小さく笑った。

 その意外なまでの可愛い笑顔に、ドキリとしてしまった。
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