公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「公爵、乗馬を教えてください。教えてもらって、『レディ』と野山を駆けまわりたいのです」
「ミユ、ほ、ほんとうに? ほんとうにいいのか?」
「ええ、ほんとうです」
「やった! きいたか、イーサン?」
「はいはい。よかったですね」

 公爵のサプライズプレゼントは、わたしを驚かせてくれた。だけど、とてもうれしいことにかわりはない。

 だけど、それよりもうれしいことがある。それは、「レディ」の正体が人間(ひと)ではなかったということ。

 こうしてある冬の前の穏やかな日、わたしは「レディ・ローズ」という親友を得た。

 乗馬? 初めての経験だけれど、練習すればなんとかなるはず、よね?
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