公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 怖いし不安だしわけがわからなさすぎるけれど、ボスの教えはぜったい。

 だから、おもいっきり虚勢をはってみた。

 すると、ジェロームは鼻白んだ。

 彼は、わたしに反論されることを予期していなかったに違いない。

「わたしになにかあったら、いいえ、なにかある前には仲間たちが然るべき対応をしているわ。いま、このときだってそう。わたしが合図を送れば、どうなるかしらね?」

 自分でも「うまくいったんじゃない?」と思えるほど、不敵な笑みを浮かべることが出来たはずよ。

 ジェロームを始め男たちは、わたしの虚勢、というよりかはハッタリに周囲を見まわしている。

 当然、だれかがいるわけはない。
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