公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「ですが、閣下はご自身でしあわせをつかまれました。あらためまして、公爵閣下。そして、ミユ様。おめでとうございます。ウインズレット公爵家の使用人一同(・・・・・)、心よりお祝い申し上げます」

 モーリスを始め、全員が頭を下げた。

 公爵がわたしをおろしてくれて、肩を抱いてくれた。

「ありがとう。そうだな。おれは、しあわせをつかんだのだな」

 公爵は、しみじみとつぶやいた。

 まだ実感がわかないけれど、うれしいことにかわりはない。

 現実、なのよね?

 夢ならさめないで、と祈らずにはいられない。
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