公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 それから、わたしを見て笑い始めた。当然、わたしも笑ってしまった。

「ブレントン様は、意地悪ね。ちょっとくらい話をきいてもいいと思うのよ。ずいぶんとスリリングでミステリアスでダイナミックでバイオレンスでデンジャラスなことばかりなんでしょうね」

 そう。わたしは、彼女たち本物の調査員、というか世界を股にかけて活躍している諜報員の刺激的な活動の話をききたいのである。

 だけど、公爵がNGを出しているという。
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