公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「ダメですよ、奥様。そんな人生論的な問答のどさくさに紛れてききだすつもりでしょう? そうはいきません」
「いやだわ、ジリアン。ほんとうに考えてしまったのよ」
「奥様。ところで、本日はどうされますか?」
「今朝は、姉の遺した衣服の整理をするわ。あなたも知っている通り彼女とわたしの趣味は違うけれど、ここにある彼女の衣服は、ブレントン様が贈られたものか、ブレントン様から盗んだ金貨で買ったものでしょう? このままクローゼットの肥やしにしてしまうのはもったいないから、わたしが着ることにするわ」
「手直しがあれば、お手伝いします」
「ありがとう。じゃあ、がんばってみるわ」

 というわけで、朝はクローゼットにこもることにした。
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