公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 あとは、このド派手なドレスに合うようわたしの顔をどうにかしなければならない。だけど、髪や瞳の色を変えることは出来ないし、ましてや顔のつくりそのものをかえることも出来ない。

 借金まみれの超貧乏な実家では、社交界デビューどころかサロンにすら足を踏み入れることが出来なかった。そんな余裕などあるわけもない。遊ぶことも同様である。
 社交の場に出ることがなければ、化粧をする必要はない。

 それはともかく、いまよね。派手なドレスに地味すぎる顔を合わせるには、化粧をすれば少しはマシになるかしら? というか、マシになってもらわないと困るんだけど。

 ジリアンに相談ね。
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