公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 姉は、いつの間にシガレットを吸うようになったのかしら。

 それとも、これまでも隠れて吸っていたのかしら?

 疑問しかないけれど、ジリアンにそのことについてもお礼を言った。
 
 彼女は、伝えられたことで心が軽くなったと言ってくれた。それから、このことは今後も秘密にしておくとも。すくなくとも、わたしや公爵の命令がないかぎりはだれにも言わないとも言ってくれた。

 そうよね。わたしはともかく、今後公爵が何かの拍子にその事実を突き止めるかもしれない。そうすれば、ジリアンに尋ねるかもしれない。

 彼女には、そういうときがきたら公爵に包み隠さず伝えてほしい。

 だけど、いま黙っていてくれるのはありがたい。

 わたしなりに姉の男性関係を調べてみたいから。

 だから、彼女の申し出に甘えることにした。
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