公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 調度品も壊れていたり壊れかけている物が多かったけれど、いまは壊れてもいないし壊れかけてもいないまともな物が置かれている。調度品は、どれもアンティーク調の物で統一している。

 ボスやエドモンド兄弟の机、来客用の長椅子やローテーブル、本棚にコート掛け、ポットやカップにいたるまで、ほとんどがかわってしまっている。

 気配り抜群のジェフがお茶を淹れてくれて、クッキーとともに出してくれた。

 昔から、彼のお茶は最高に美味しいのである。

「すっかりきれいになっただろう? ミユ。万が一にもおまえのことを調べられた際、昔おまえが勤めていたところはまともな会社だと思われるようにしたのだよ」
「なんですって?」

 ローテーブルの向こうで、ボスは丸っこい顔に真剣な表情を浮かべている。

 彼にシリアスは似合わない。

 いつもそう思う。
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