灰色の世界で、君に恋をする
6.
「いたいだけここにいていいのよ。どうせ部屋も余ってるんだから、遠慮なんてしないでね」

そう言ってくれる紫乃さんは、女神のように後光がさして見えた。
タダでお世話になるわけにはいかないので、私は昼間、お店の手伝いをすることになった。
私とユキは、相変わらず同じ屋根の下のお隣同士だった。なんだか兄妹みたいだと思う。
夜寝るとき、それぞれの部屋のドアを開けて「おやすみ」と声をかけ合う。でもそこで顔を見合わせたままなかなか部屋に入ろうとしない。離れるのが名残惜しくて、他愛もない会話を続け、たいして面白くない冗談でくすくすと笑い合う。一階で紫乃さんが寝ているから、声量を最小限に落として。
そうしていると、悲しいことなんて1つもないような気がしてくる。世界が終わりに近づいていても、毎日どこかでたくさん人が死んでも、体が何ヶ月もかけてゆっくりと灰になっていくなんてわけのわからない病気に侵されていても、静かな夜の中では、全てを忘れられるような気がする。
「おやすみ。また明日ね」
と私が言うと、ユキが笑う。
「さっきも言ったよ」
「じゃあ、これで最後」
ふいに、手を伸ばしたくなる。ちょっと指先で触れるだけでもいい。でもやっぱり自分からはできなくて、もどかしい気持ちでぱたんとドアを閉める。
1人になると、寝る前にウイッグを外すと、現実に戻る。鏡で自分の姿を見て、ガラスの靴を脱いだシンデレラみたいに、唐突に夢の終わりを知る。
電気を布団に入って、最近夢を見なくなったな、とぼんやりと思った。



「祈ちゃん、オムレツつくるのうまくなったね」
フライ返しでオムレツを返す私の後ろから覗き込んで、紫乃さんが言った。
「これでいつでもお嫁に行けるわね」
「な、なに言ってるんですか……」
「うふふ。冗談よ、冗談」
紫乃さんは楽しそうにそう言って、オムレツとトーストのお皿をお客さんの待つテーブルに運ぶ。
「おまちどおさまー」
とお店のほうから紫乃さんの明るい声、それから世間話に移る声がなんとなく聞こえてくる。
紫乃さんは、なにも聞いてこない。私たちがここに来た理由とか、いつまでいるのか、家族は大丈夫なのか、そういうことをなにも聞かずに、ただ家に置いて、手伝いをさせてくれる。
だから私は、不器用なりに一生懸命できることから覚えようと思った。実際にやってみると、今まで彼女がたったひとりでこなしていたのが信じられないくらい、仕事は無限にあった。

ふう、とひと息ついたとき、裏口の扉の擦りガラスの向こうに、ふっと人影がよぎった。一瞬だったけれど、確かに。裏口のほうにお客さんが来ることはまずないから、私は不思議に思った。
ドアを開けて見て見たけれど、膝丈ほどまである草が生えているだけだった。
「さっきそこに、誰かいた気がするんですけど……」
念のため、客席から戻ってきた紫乃さんに言っておく。だけど紫乃さんはさして関心もなさそうに、
「そう、野良猫かしらね」
と言っただけだった。
「そうかもしれません」
もしかして、娘さんが帰ってきたんじゃないか、と言おうとした口をつぐんだ。
きっと、紫乃さんは何度も期待したはずだから。何度も何度も期待して、そのたびにがっかりしてきたはずだから。
「エサでも置いておこうかしら」
と紫乃さんは微笑ましげに言った。野良猫の正体がわかっているような口ぶりだった。

この町には、毎日のように周辺の町から人がやってくる。周辺の町がどんな状態になっているのか、お客さんや紫乃さんたちの会話でなんとなくわかった。
人がここに流れてくるのは、そこにもう住めなくなったから。無人になった町は数えきれず、公共の交通手段はとっくに絶たれ、ひとつひとつの集団が大きくなって悪い人たちの巣窟と化しているところもあるとか。
私は山で男に襲われたときのことを思い出した。最低な場所だった、と彼は泣きながら言った。あんな場所で最期を迎えたくなかった、と。
みんな、そうなのかもしれない。家族や大切な人を失って、1人じゃいられなくなって、ここに流れつく。
こののどかな町は、目には見えない人々の悲しみであふれている。



私とユキはよく散歩をした。散歩をしながらいろいろなことを話した。家族のこと、学校のこと、最近のできごと。たとえば紫乃さんがよそから来たお客さんに言い寄られて困っていたとか、ユキが頼まれた仕事の話とか。
「今日は一日中犬に囲まれてたよ」
日が落ちかけた夕闇の道を歩きながら、ユキがどっと疲れた顔で言った。
「でかいのが3匹もいるんだ。散歩して、エサあげて、体洗って、また散歩して」
「なんでも屋さんみたいだね」
「なんでも屋さんだよ、完全に」
ユキの体からは、かすかに犬の独特の匂いがした。それとシャンプーの爽やかな匂い。
「自分が18になる前に仕事をするようになるなんて、考えたこともなかったな。うちの自転車の手伝いすくらいしかしたことなかったし」
「私も。うちの学校、バイトすら絶対禁止だったから」
「ばれたらどうなるの、それ」
「わかんない。少なくとも私の知る限りでは、みんな真面目に校則を守ってたから」
私は笑って言った。
「でも、もしできるなら、喫茶店で働きたいなって思ってた。またひとつ夢が叶っちゃった」

小高い丘のベンチのそばでカメラを拾った。黒い小さなインスタントカメラだった。
「あ、まだフィルム入ってる」
元は何枚撮れるのかわからないけれど、残りは「7」になっていた。
「私、インスタントカメラって初めて見たかも」
「うちは父さんが愛用してたよ。自転車かリムの写真ばっかだったけど」
リムというのは、ユキの家で飼っている犬のことだった。白くてふわふわで、壊れた自転車のリムを転がして遊ぶのが大好きなんだと、前に教えてもらった。

「1枚、撮ってみる?」
「うん!」
ユキがカメラを掲げて、2人が入るように角度を調節する。私たちは肩をぴったりとくっつけて、なんとかレンズに入り込もうとする。近づくと犬とシャンプーの匂いがより強くなって、慣れない距離感にどぎまぎした。だけど携帯やデジカメと違ってタイマーもなければ画面もないから、結局適当なところでシャッターを押すことになる。
カシャッ、と想像以上に大きなシャッター音がした。
「撮れたかな?」
「どうかな」
真っ黒な長方形を、ユキは見つめながら言った。「7」だったのが「6」に切り替わっている。
「撮ったものが見えないって、けっこう不便だよね。確認できなきゃ撮り直しもできないし」
「まあね。父さんはその一発本番な感じがいいんだって言ってたけど。現像するまでの楽しみなんだって」
「へえー」
私は感心して頷く。不便じゃなくて、楽しみ。そういう考え方もあるんだ。
そこから私たちは、この小さな町を眺めた。陽の光はどこにも見当たらず、どこへも流れることのない灰色の雲が、小さな町の上空を巨大な傘のように覆っている。
「置いてくのもなんだし、あと6枚撮っちゃうか」
とユキがいたずらっぽい笑みで言った。
「そうだね。現像すれば前の持ち主がわかるかもしれないし」
「恥ずかしい写真とかだったら見られたくないかもな」
「あはは、知ってる人かもよ?」
ねえ、と私はカメラを手に持って言った。
「これ、私が持っててもいい?」
「いいよ」
「ほんと?」
あと6枚、何を撮ろう。考えると楽しくなった。
現像するまでの楽しみって、こういうことかもしれない。1枚1枚大切に撮って、わくわくしながら出来上がった写真を見る。ときにはちょっと人には知られたくない秘密も紛れ込んでいたりする。
そうしている間にも、少しずつ夕闇が深くなっていく。一日中灰色の雲が垂れ込めていた空に、ようやく夜が幕を降ろす時間。
帰る頃には、すっかりあたりは暗くなっていて、私たちは手を繋いで来た道を戻った。



9月に入って少しした頃、「野良猫」の正体が判明した。
「うーん。やっぱりうまくいかないなあ……」
私は自作のココアをすすりながら、首を捻った。
「そう?おいしいと思うけど」
紫乃さんの判定はココアみたいに甘々だけど、やっぱり紫乃さんが作るココアとは全然違う。
「こういうのは、慣れが大きいから。練習あるのみよ」
紫乃さんが笑いながら言って、裏口のドアを見て目を細めた。
「ココアの匂いにつられて、野良猫が寄ってきたかもしれないね」
「えっ?」
猫……?
私は思わず、裏口の磨りガラスのほうを見た。なんの音もしないのに、どうしてわかるんだろう。
紫乃さんは、そこにいるのはわかってるんだから、と言うようにすたすたと歩いていって、ガチャリとドアノブを捻った。
「はあ、まったく」
と、呆れたようにため息を吐く紫乃さん。
「そこにいるのはわかってるんだから。いつまでも隠れてないで、さっさと帰ってきなさい」
その言葉に、はたと思い当たる。
もしかして。
鈍い私でも、ようやくわかった。野良猫の正体はーー、
そのとき、草陰から、こわごわと女の子が顔をのぞかせた。同じ歳くらいの、少し背の高い女の子。

「ーー!」

その姿を認めた瞬間、私は全身からさっと血の気がひくのを感じた。



「あ、あの……」
なにかを言いかけた女の子の視線が、紫乃さんの後ろで呆然と立ちつくす私を捉えて、止まった。言いかけた言葉は、声になる前に塵みたいに空気中に消えた。
私を見て愕然とし、
「なんで……」
と、声を震わせて言った。
私を見て怯えているようだった。どうしてだろう。怯えるようなことをされたのは、私のほうなのに。
そこに立っていたのはーー桃香だった。
会ったのは1度だけだけど、間違いなかった。私のバッグを、財布と携帯を丸ごと奪っていった張本人。
でも、目の前にいる桃香は、数日前よりもずっと疲れていて、やつれて見えた。
「どうかしたの?」
紫乃さんは顔をしかめた。
桃香は目を見開いたまま何も言わない。
もしかして、と紫乃さんが言う。
「祈ちゃんのこと、知ってるの?」
桃香が何か言う前に、私が口を開いた。
「知りません」
「…………っ」
バタン、と裏口のドアを桃香は勢いよく閉めた。がさがさと草をかき分ける音が聞こえてくる。
「帰ってきたと思ったらなんなのよ」
紫乃さんが訝しげに顔をしかめる。
「ねえ祈ちゃん、本当にあの子と知り合いじゃない?」
「はい」
私ははっきりと頷いた。それから念のためこう付け足しておく。
「もしかして、私が知り合いに似てたのかも」
「そうかもね。あの子、昔から早とちりが多いのよ」
紫乃さんは呆れたように言って、それから何事もなかったかのように仕事を再開した。



日が落ちる前に外の掃除をしておこう、と思い、店先で掃き掃除をしているとき、ふいに声をかけられた。
「あんた、なんでウチにいるのよ」
先の尖った氷みたいな鋭い声だった。凶器じゃなくても、人を傷つけることだってあるのだ。
「親切な人が連れてきてくれたの」
「あっそう」
誰が、というのはどうでもよさそうだった。
それで、と桃香はタバコを吸いながら言った。
「もう言ったの?あたしがあんたにしたこと」
ふう、とピンクの唇から薄い煙を吐き出す。タバコを吸ったことがない私でも、ぎこちないとわかる吸い方だった。
「言うわけないでしょ」
と私は言った。
桃香はタバコを口から離して、眉をひそめた。
「は?なんで?」
馬鹿にしたような言い方だった。偽善者ぶるな、たぶんそう言いたいんだろう。
その言い方に、私はカチンときた。
「怖いんでしょ。告げ口されるのが。子どもみたい」
「は?べつにーー」
「私、あなたのこと、許したわけじゃないから」
私は桃香の目を見て言った。あんなことをされたのに、不思議と、もう怖いとは思わなかった。
「たとえ短い間でも、信じた気持ちを裏切られて悲しかったし、痛かったし、助けてもらわなかったら、今頃どうなってたかもわからない」
でも、と私は続ける。
「でも紫乃さんは、ずっと待ってた。それなのに、やっと会えたのに、そんなこと知ったら、きっと悲しむから」
コーヒーを切らしても、ココアだけは常に置いておく紫乃さん。お客さんが来るたびに、何かを期待するような眼差しを、私は1日に何度も目にした。ああ、また違った。ほとんど気づかないくらい小さく落胆しながら、いつだって笑顔でお客さんを迎え入れる。
辛いときにも普通でいることがどれだけ大変か、私には少しだけわかったから。
「あんた、見かけ通りのお人好しね」
桃香は言いながら、自分のバッグから、一回り小さな薄いピンクの肩掛けバッグを取り出した。
あ、と私は目を見開いた。

「これ、返す。お金使ってないから」
「えっ?」
予想もしなかったことに、私は目を丸くした。
「なに、使ってほしかったの?」
「戻ってくると思わなかったから……」
「あいつが全部使う前に、奪ってきたのよ」
桃香は吐き捨てるように言った。
私は縋るように、バッグの紐を掴んで寄せた。チャックを開けて中身を確認する。
中身はそのままだった。桃香の言うとおり、使われた形跡はない。

「ーーよかった……」

喉の奥から、無意識に言葉が洩れた。
私はピンク色の携帯を、ギュッと両手で握りしめて胸に抱く。

ーーよかった。ちゃんと、戻ってきた。

そのとき、入口の扉が開いて、紫乃さんが顔を出した。
「なんだ、やっぱりあんたたち、知り合いなんじゃないの」
「今知り合いになったんです」
私がにっこり笑ってそう言うと、紫乃さんは不思議そうな顔をして、桃香は呆れたように小さくため息を吐いた。



夕方、日が落ちる少し前の時間。カメラを拾った丘で、ユキと落ち合った。ここから、1日の終わりを迎える町の景色を眺めているのが日課になっていた。
「今日はなんのお仕事だったの?なんでも屋さん」
「その言い方はやめて」
ユキが照れたように言う。
「今日は自転車の修理。ある意味本業かも」
「本業?」
「俺、高校卒業したら、うちの店の手伝いしようと思ってたから」
へえ、と私は驚いて声をあげる。
「父さん、金銭管理がいまいち苦手だから、俺がなんとかしないといつかこの店は潰れるって。変な使命感があってさ」
ユキは苦笑した。
「私は将来やりたいことなんて、何も考えてなかったな。毎日大量の宿題がでるからそれをこなすだけで精一杯だった。3年生になったら受験勉強に追われて、大学に入ったら自然と見つかるものだと思ってた」
「普通はそうだと思うよ。うちはほら、父親が頼りなかったから」
「そっか。お父さんの力になりたかったんだね」
こんなふうに未来のことを話していても、私たちにはわかっている。そんな未来は訪れないことを。
世界が終わるか、その前に自分がいなくなるのか。誰にもわからないけれど、ひとつだけわかることがある。
ーーそのとき、私たちは一緒にはいられない、ということ。

「そういえばね、紫乃さんの娘さんが帰ってきたんだよ」
私は強引に話題を変えた。
「ほんとに?」
ユキは目を丸くした。
「うん。家出した手前、帰ってきづらかったみたい」
ずっと帰りを待っていた、3年ぶりに会った娘を前に、紫乃さんは泣くことも怒ることも、抱きしめることもしなかった。
ただ、一言、「おかえり」とだけ言った。

「嬉しかったんだろうな。すごく嬉しいときって、うまく反応できない気がする」
「ユキもそうなの?」
「まあ……」
何かを思い出したみたいに、ユキは曖昧に答えた。何かは聞かないことにした。
「そっか。娘さん、帰ってきたのか……」
じゃあさ、とユキが私の目を見る。
「俺らも、帰る?」
どくん、と胸が大きく鼓動を打った。

帰るーー?

私たちの目的は、会うことだった。会ってあの不思議な桜を見ること。でも桜は咲いていなかった。
もう、目的は達成したのだ。お互いに家では家族が待っていて、きっと心配もしている。私は家を出てきたけれど、ユキはそうじゃない。
うん、と頷けば、私たちはどうなってしまうんだろうか。
地元に戻れば、離れ離れになってしまうんだろうか。
「……私は、帰らない」
私は首を振って言った。帰ってくるなと追い出されたし、私もそのつもりだった。
もう、あの家には、帰れない。
「わかった」
ユキが言った。
「イノリが帰らないなら、俺もここにいるよ」
「いいの……?」
うん、とユキが頷く。
「はじめからその覚悟で、ここに来たんだ」
私は目を見開いた。そんなこと、初めて聞いた。
「この先、どうなるかわからないなら、好きな人と一緒にいたいと思った。もちろん、イノリの気持ちを知ることが先だったけど」
「私も……」
私も、同じことを考えていた。もし、ユキの気持ちが同じだったら、どんなに嬉しいだろうって、ずっと考えていた。
胸が熱くなって、目と鼻の奥がつんとする。

ーーほんとうだ。すごく嬉しいときって、うまく反応できない。

「私も……ユキと一緒にいたい」
「うん」とユキは照れたように少し目を逸らして、頷いた。
「イノリ、手出して」
ユキがポケットから何かを取り出して言った。
なんだろう?
チャリン、とユキは私の手のひらに、それを乗せた。
「鍵?」
「うん。空き部屋の鍵、藤也にもらったんだ」
私は驚いてユキを見た。
「ユキ、ここに住むの?」
「いや、じつはもうひとつあるんだ」
ユキはポケットから、同じ鍵を取り出した。

「イノリ、一緒に暮らそう」

一瞬、頭が真っ白になった。思考がまったく追いつかなかった。
一緒に暮らす……?
ユキと、私が……?

「えええっ!!?」

「あはは、いいリアクション」
「え、や、だって……」
だって、数日前に初めて会って、お互いの気持ちを確かめたばっかりで、

ーー展開早すぎないですかっ!?

「やっぱ急かな?」
「急すぎるよ……」
あまりの驚きで、胸のどきどきが収まらない。
「4年も我慢したんだから、ちょっとぐらい急いでもいいんじゃないかな、と俺は思うんだけど」
「…………っ!」
私は言葉を失ってしまう。
照れたかと思えば、急に大胆なことを言ったり、やっぱり反則だ。
「嫌なら、鍵は俺が持っとくよ」
ユキが手を出す。
「……ずるい」
「何が?」
にっこりと笑うユキが、なんだか天然の小悪魔みたいに見えてきた。
「嫌なわけ、ない」
私は小さくつぶやいた。
そんなの、嬉しいに決まってる。
「…………よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく」

ーー私はこれから、どうなってしまうのだろう。

今までとは違う意味で、心配になった。
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