はやく俺のこと好きになってよ、先輩。

動き出すトライアングル



デート当日。


気持ち良いくらいの快晴。初夏を感じる半袖でもちょうどいい気温だ。


昨日、仁乃に一ノ瀬くんとデートすることになったと伝えたら、すぐにうちへやってきて、ヘアメイクやらファッションショーが始まった。


デニムパンツに白のブラウスでいいかなと思っていた私に、『デートなんだからもうちょっと可愛くしよ!』とたくさんコーデを組んでくれて。 


ふたりでキャッキャしながら、そういうのが久しぶりでなんだかすごく楽しかった。


結局最終的に決まったのは、黒のキャミワンピに中は白Tシャツを合わせて、足元はスニーカー。髪は緩く巻いてお団子ハーフアップにした。


休みの日に異性に会うために準備したのは久しぶりで、変にドキドキしている。


待ち合わせの駅に着き、改札を出ると、太い柱を背にして一ノ瀬くんが立っていた。



なんか・・・目立ってる。


服装は、グレーの半袖シャツにインナーは白Tシャツ、そして黒のスラックス、足元はスニーカーという、至ってシンプルな装いなのに、そのシンプルさが余計に彼のかっこよさを際立たせていた。


今日は私たちが振替休日なだけで、世間は普通の月曜日。休日ほど人通りは多くないけれど、彼をちらっと見て行く女性は結構いた。


私なんかが近くにいて大丈夫かな。


少し気後れしながら彼の元へ向かうと、私が一ノ瀬くんに声をかけるよりも先に、一ノ瀬くんが私に気づいて微笑んだ。

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