はやく俺のこと好きになってよ、先輩。


体育祭の日、俺は朝比奈さんが来てるのを知って、内心焦ってた。


ふたりが鉢合わせるんじゃないかって。


でも、借り物競走に出てた先輩に、俺は運良く借り出されて、ここぞとばかり見せつけるかのように明華先輩に近づいた。


正直、目の前の先輩が可愛すぎて抑えられなかったのが本音だけど。それを朝比奈さんが見てくれてたのはラッキーだと思った。


まさか、この行動が火をつけることになったとも知らずに。



明華先輩が、朝比奈さんのことをずっと忘れられないでいることは知っていた。


屋上でその様子を何度も見ていたから。


でも、俺が初めて明華先輩を知ったのは、屋上でも学校内でもなかった。



高1になってすぐにバイトを始めた俺は、1ヶ月もすると、完璧に仕事をこなせるようになり、学校が終われば頻繁にバイトに入っていた。


ちょうど今くらいの時期だったか、バイト先に立ち寄った朝比奈さんに連れられて、明華先輩がやって来た。

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